ピティナ・ピアノコンペティション

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福田靖子賞選考会

第11回福田靖子賞選考会
最終結果/レッスン
レポート

主催:公益財団法人福田靖子賞基金
会場協力:桐朋学園大学(レッスン・最終審査会)
広報協力:ピティナ

コンペティション直後の8月22~25日、20年目を迎える第11回福田靖子賞選考会が桐朋学園大学の素晴らしい施設をお借りして行われ、以下の通り最終結果が発表されました。

今年も9人の真摯で輝かしい才能に満ちた中高生ピアニストを奨学生として選出し、4年ぶりに海外招聘審査員をお迎えして、彼らに世界トップクラスの素晴らしいご指導をいただきました。また、最終審査には財団の選考委員(福田成康理事長・江口文子評議員・黒田亜樹評議員)のほか、日本の演奏業界・ピアノ教育界をリードしてきた4人の音楽家(上原彩子先生・坂井千春先生・杉本安子先生・松本和将先生)をお迎えし、終了後の懇親会では最終審査の演奏だけでなく今後の学習に対しても様々な角度からアドバイスがおくられました。この素晴らしい9人の才能を、今後、第11期奨学生としてサポートしてまいります。

集合写真
最終結果
第1位(奨学金100万円) 長谷川祐音(兵庫県/中2)
第2位(奨学金40万円) 深津天馬(茨城県/高1)
第3位(奨学金30万円) 大山桃暖(大阪府/高3)
第4位(奨学金20万円) 安井友理(神奈川県/中1)
入選(奨学金5万円) 加藤皓介(高2/東京都)
角谷春奈(高1/愛知県)
仁宮花歌(高3/東京都)
朴沙彩(高2/東京都)
室崎恵太朗(中2/愛知県)
集合写真
最終審査会 演奏ハイライト

8/25(金)桐朋学園 宗次ホール(会場協力)

第1位 長谷川祐音
リスト:メフィストワルツ第1番
第2位 深津天馬
リスト:詩的で宗教的な調べ より 「葬送」
第3位 大山桃暖
リスト:「ドン・ジョバンニ」の回想
第4位 安井友理
ショパン:マズルカ風ロンド Op.5
入選 加藤皓介
シューマン:幻想曲 Op.17 第1楽章
入選 角谷春奈
ショパン:「ドン・ジョバンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 Op.2
入選 仁宮花歌
モーツァルト:ソナタ第3番 変ロ長調 K.281
入選 朴沙彩
ブラームス:ピアノソナタ第2番 Op.2 第1楽章
入選 室崎恵太朗
シューマン:アレグロ Op.8

終演後は近隣のレストランに場所を移し、海外招聘審査員および日本の審査員から、個々の参加者に充分な時間を取って個別のアドバイスが送られ、参加者たちは次につなげるための助言に熱心に聞き入っていました。また、懇親会が終わる頃には、互いに連絡先を交換したり記念写真を撮ったり。これには海外審査員のシフィタワ先生も「コンクールにおいて驚くべき光景で、とても雰囲気が良く気持ちの良い空間でした。お互いに尊敬しあい、認め合うことができる彼らは、未来への希望だと思います」と日本の若いピアニストたちの人間性を讃えていました。

集合写真
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レッスンレポート

(会場協力:桐朋学園大学)

8月22~23日のレッスンは、3人の世界的な名教授が9名の奨学生を総当たりでレッスンし、ピアノ指導者・学習者も聴講に訪れました。今回は選考会20年を記念し、当財団の活動に特に大きく寄与してくださった教授も再招聘しました。

ロナン・オホラ先生
ギルドホール音楽演劇学校ピアノ科・高度演奏研究科主任教授

2013年の福田靖子賞選考会招聘後、実に最多13回のマスタークラスを実施してくださったイギリスのロナン・オホラ先生。その指導は、いつでも奇を衒うことなく普遍的な原理原則、つまり「耳をフルに使い、ハーモニーとバランスを丁寧に調整する」ことに基づいています。そして、圧倒的な演奏力とソルフェージュ能力をもって実際に隣りで素晴らしい演奏を披露してくださり、説得力十分の素晴らしいレッスンに、生徒たちは多くの学びを得ていました。「あなたが聴衆の誰よりも<聴いて>いなければなりません。あなたが聴いて初めて、聴衆もあなたの音楽を聴くことができるのです」

ウィリアム・ナボレ先生
コモ湖国際ピアノアカデミー主宰、オバーリン音楽院客員教授

2011年の初招聘以来、折に触れて日本のピアニストをサポートし、現在は2017年度福田靖子賞第1位の森本隼太さんの指導者でもあるナボレ先生。80代とは思えぬエネルギッシュでパワフルな指導は常に情熱たっぷりで、一音一音、楽語やペダル記号、レガートやスタッカート・アクセントなどの有無、どこから強弱が始まりどこで終わるか、どこには記号が「ない」かなど、細部にまで徹底的にこだわり、「ここまで緻密に楽譜を読まねばならないのか!」と驚かされるレッスンでした。「日本の若いピアニストたちの<色々なアイデアを受け入れようという柔軟さ>が素晴らしかった」と出場者たちの真剣な学びの姿勢を絶賛してくださいました。

ヴォイチェフ・シフィタワ先生
ショパン音楽大学、カトヴィツェ音楽院教授

2015年・2021年の2回にわたって、ショパンコンクールの審査員を予備予選からファイナルまですべて務めたポーランドの名匠シフィタワ教授。生徒たちが準備した曲目の楽譜を、ご自身のiPadにも準備し、曲の背景から大ホールの隅々まで届く音の出し方まで、あらゆる角度から楽曲を掘り下げる、丁寧で情熱的なレッスンです。そのうえで、単なる音の再現者から「音を通じて何かを伝える芸術家」に変容するにはどんな意識の持ち方が必要か、まさに今、中高生たちの次のレベルへの脱皮に必要な内容を繰り返し伝えてくださり、刺激を受けた出場者たちの演奏もどんどん変化していきました。

集合写真

会場を快くお貸出しいただきました桐朋学園大学様に厚く御礼申し上げます。第11期奨学生として、今回の出場者9名全員の音楽学習をサポートしてまいります。次回の選考会は、2025年8月を予定しています。2024年12月に募集要項を発表します。