開催レポート:グランミューズ座談会(3)
去る2023年4月2日(日)に、『グランミューズ沼にハマって ~自分を映し、磨き、そして繋ぐピアノとの後半生~』と題し、オンライン座談会を開催。パネリストとして、各々仕事を抱えながら時間を工面してコンペに継続参加されている、5名の方をお招きし、100名以上の方がリアルタイムで聴講くださいました。
座談会の内容を、3回連載でお届けします。第3回目の今回は、「仲間との交流」です。
パネリスト
仲間との交流
股木さん
2014年に初めてグランミューズに出場した時に、浅田さんが演奏していたラウタヴァーラの曲に感銘を受けました。誰が弾いているのかと思っていたところ、浅田さんの名前を知ったのですが、去年、入賞者コンサートで浅田さんにお話しする機会があり、その2014年のコンペでの演奏を聴いた感動を伝えることができました。また、同じ年のコンペでカプースチンを演奏したのですが、日本で楽譜が出版された関係者の方が声をかけてくださって、とても貴重な出会いも得られる刺激的な機会となりました。
関東に移り住み、ピティナに参加するようになり、そこで多くの人々と出会い、ピアノに関する様々な意見を交換する機会が得られました。参加しているA2カテゴリーには、年齢や背景が似通っている人々が多く、話も盛り上がったり、意見交換したりすることは、本当に楽しい時間です。そのような同年代の方とのピアノを通じた出会いは、かけがえのないものとなっています。
林さん
コンペを通じて、年齢を問わず、たくさんのピアノ仲間ができました。2年程前には、自分の娘よりも若いお嬢さんと大阪でジョイントコンサートをする機会に恵まれました。そんな貴重な経験をすることができ、ピアノを長く続けていることに意義を感じています。
ピアノ仲間たちとは、夏のコンペが終わった後に反省会や打ち上げ、お疲れさん会などを開いて、お互いに労い合いながら話をしています。ピアノは、自分で弾くだけでも得るものはありますですが、それを聴いてくれる人がいることが大切だと感じます。お互いに聴き合える存在はとても貴重ですね。
かつてアミューズ部門で参加していた頃の講評用紙に、「ピアノを心の友として人生を豊かに送ってください」と書かれていたことを思い出します。当時は、真剣に演奏しているのに、まともに評価してもらっていないような気がしていましたが、今になって、やっとその先生の言葉を心から理解できるようになりました。音楽は本当に心の友であり、本物の仲間はこうして出会っていくのだなとしみじみ思っています。
浅田さん(座談会のファシリテーターとして)
年を取ると、整形外科の待ち合い室が、一つの社交場のようになることがありますが、そのような感じで(笑)、夏のコンペ会場に行くと、ピアノを楽しむ方たちに出会い、連弾したりジョイントコンサートをしたい相手と知りあえるかもしれません。ご自身でコンペに参加することはもちろんですが、「演奏はドキドキするから」と躊躇される方も、興味を持たれた方はまずはグランミューズ部門を聴きにご来場いただき、相互に声をかけ合って交流を深めることができたら素敵だなと思っております。