第43回コンペ作文コンテスト結果発表!-2- 特選2作品

きょ年、やくそくをしました。
「おばあちゃんは、びょう気とがんばるからほのちゃんは、ピアノをがんばるね。」
て言った時は、夏の青い空みたいな気もちでした。
でも、おばあちゃんのまわりは、どんどん青むらさき色になって一人で立っているようなかなしいかんじがしました。
木の箱の中のおばあちゃんはつめたくて、かたかったです。しんじゃっても、やくそくはまもりたいと思いました。
本選の時、まっ白な小さな箱の中にまちがって入っていく気がしました。ぶたいうらでドキドキがはやくなって、おなかがイタくなりました。手のひらが汗でびっしょりで、「おちついて」と、わたしはわたしに声をかけたけど、体がガタガタして、あたまの中がせんたくきみたいにグルグルまわっていました。
さいごまでひきおえた時に、きゃくせきにおばあちゃんがニコッてわらっている気がして、今年もおばあちゃんをぜんこくにつれて行けないかもと思ったら、「ごめんね。」とつたえたくなりました。だってこのままやくそくをまもれなかったら、おばあちゃんをずっときずつけるような気がしたからです。
しょうをとった人がぶ台によばれていくけど、わたしの番ごうはさい後までよばれませんでした。わたしは黒色でぬられていくように思いました。
かえり道はお父さんにだっこしてもらいました。お父さんだっこはホッとします。汗がベタベタくっつくと黒かった色がとんで、明るい色のなみだの形をしたバンソウコウがわたしにくっつくみたいな気がしました。
コンペがおわってからもまだおなかがイタくてお母さんが心ぱいして
「おばあちゃんだったら今のほのちゃんになんて言うかな?。」
と聞きました。わたしは、「大じょうぶだよ行けなくても大じょうぶだよ。」てわらいながら言ってくれるかなと思いました。「あきらめちゃいなよ。」とか「やめちゃいなよ。」とは言わないだろうなと思えたら、心がポカポカしてきました。お昼に食べていたおにぎりがきゅうにおいしくなりました。
わたしはコンペが色のついた山にみえます。ちょう上が今年のコンペのおわりです。ちょう上に行く道はたくさんあって、どれを通ってもちょう上につきます。黄みどり色の道はあんぜんなとお回り、みどりはゆるやかな長いかいだん、黄色はゆるやななさか、青はきゅうなかいだん、白はきゅうなさか、赤は近道とか色々あります。わたしは白い道でのぼってみたいです。だってくるしくのぼった方が「やった」と思えるし、足が地めんにしっかりつくさか道なら、と中でくるしくなってとまってもこわくありません。
わたしはぜんこくに行けなかったけど、ピアノをやめようとは思いません。ピアノがやっぱりすきです。市村先生も「がんばってね。」て言ってくれたから、もっとがんばりたいです。
来年もがんばります。

「風になるってどんな気持ちになるんだろう。」五月の風をひく時の私の目ひょうは、「風になる」でした。
風の気持ちになるために、さわやかな風景の写真を見たり、せん風機の風をあびたり、五月になったら天気の良い日に外で風をあびたりしてイメージをふくらませていきました。イメージをふくらませていっても、それをピアノで表現するのはむずかしく、十一月の風のように悲しい音や、二月の寒い風のように固い音になってしまいました。やわらかい風が表現できたかな。と思うとテンポがずれたり、小さい音になったりもしてしまいました。大好きな曲なのできれいにひきたくて、練習の部屋全体に風がふいて花や木がさわやかにゆれているようにイメージしました。
先生には、
「風の中に異物を入れないよ。」
「最初に風を感じてからひき始めるよ。」
「息をはきながら音を出し始めるよ。」
と教えていただきました。
一か所目の予選で他の出演者の演奏を聞くことができました。「私の五月の風より明るくひいている人が多いな。」と思いました。先生には、
「二か所目はもっと表現力をつけていきましょう。」
と教えていただき、さわやかな風のイメージをもっと大きくふくらませました。最後の練習まで、クレッシェンドする時に固い音にならないように、異物が入らないように気を付けてひきました。そして二か所目の予選。一か所目よりも表現豊かに、異物も入らずにひけた!と思いました。「風になる」ってこういう気持ちだったんだな。と目標を達成できたと思いました。友達のお母さんに、
「とてもきれいにひけたね。」
お母さんには、
「ステージにさわやなか風がふいていたよ。」と言ってもらってうれしかったです。
そして結果は、今までで一番良い結果で、とてもうれしかったです。先生にも良い結果をほうこくできてよかったです。来年も曲になりきって演奏したいと思いました。
