楽器店が支える コンペを活用したピアノ学習
コンペを活用したピアノ学習

3月1日に公開の2025年コンペ課題曲聴き比べでは、今回初めて、カワイ・ヤマハの楽器店スタッフの方に演奏協力をいただきました。以前は学習者としてコンペ課題曲を学ばれたお二人が、今回は、楽器店に勤務する立場で、改めてコンペ課題曲を演奏してくださいました。
「課題曲」を通じて、楽器店での試弾イベントを催されたレポートや、各楽器店やご自宅でも試弾できる「試弾シート」、今後の楽器店でのイベント情報など、ご紹介します。楽器選び、体験、交流の場として、是非お近くの楽器店に足を運んでみてください。

今回課題曲を演奏しての感想
改めて課題曲を演奏して、こんなに難しかったかな…と。参加者の皆様の努力を感じました。と同時に、過去の自分もよく頑張ったと思えました(笑) コンペの会場へは毎年伺わせていただいておりますが、今年はより深く曲を知った状態で演奏を聴かせていただくので、私もまた勉強させていただきます。
ピアノやコンペの経験が仕事に活きていること
たくさんありますが、一番は本番を迎える演奏者の気持ちに心から共感できる、という点でしょうか。舞台での緊張感や、思うように結果が出なかった時の憔悴、お友達と比べて焦る気持ち、どれもまだ鮮明に思い出せます。日々たくさんのお客様とお話をさせていただきますが、一人一人の目標や悩みを身近に感じてお手伝いができることが、ピアノを長く続けてきた強みだと思っています。
今年、コンペに参加する皆さんへ
春から夏の長い時間を一生懸命過ごす皆さんの頑張りは、何年経っても褪せない強みになります。やれるだけやってみてください。楽器店としても全力でサポートいたします!学校の宿題も頑張って!
宇高さんの課題曲演奏を聴く
今回課題曲を演奏しての感想
それぞれの作品の個性や美しさを実感し、目の前のピアノでそれをどう音にしていくか考えながら課題曲を演奏しました。以前は、作品に集中して、先生からの指摘を意識し、自分の納得いく演奏ができるまで練習をするのが当たり前でした。しかし、今回楽器店社員という立場で多角的に課題曲と向き合い、作品に込められた作曲家の想いや、4期の魅力を堪能しながら演奏でき、また、ヤマハピアノのこだわりや性質を理解した上で演奏することに、喜びを感じられたのも嬉しい瞬間でした。
ピアノやコンペの経験が仕事に活きていること
これまで私自身もピアノ、音楽に常に愛情を持ち根気強く学んできたので、ヤマハに足を運んでくださった方々の要望や心に寄り添うことができた時、音楽と共に過ごしてきて良かったと感じます。お客様は、ピアニストの方々から愛好家の方、また年齢層も様々です。その為、専門的な知識を生かすだけでなく、音楽の魅力に気づくきっかけを作るのも、私達の役目であり、その瞬間に携われることにやりがいを感じます。また、意思を持ち追求していく場面で、最後まで拘り持って前向きに取り組めるのも、コンペの場で培われた力だと思います。
今年、コンペに参加する皆さんへ
課題曲学習を通して、ぜひ「お気に入りの一曲」を見つけてみてください。コンペは結果が伴いますが、それは次へのステップとなる大切なものです。しかし、それと同じくらい、また弾きたいと思える作品と出会えることは、音楽人生を豊かにし、音楽の視野を広げていくと思います。そんな作品を、広いホールで素敵なピアノを演奏できる時間に喜びを感じてもらえたら、楽器店社員としてとても嬉しいです。
芝田さんの課題曲演奏を聴く3月5日、カワイ広島にて、コンペ課題曲を電子ピアノ、アップライトピアノ、グランドピアノで弾き比べてみる体験型のセミナー企画が実施され、ピアノ指導者・保護者が聴講しました。カワイ広島の竹田店長による電子ピアノ機種別の性能・機能の違い、電子ピアノとアコースティックピアノ各長所の説明後、それを受け、宇高ほのかさんが、コンペ課題曲を題材として…打鍵が弱い、スタッカートが重くなる、レガート奏ができない、ペダルが濁る、声部の弾き分けができない…など『生徒さんの演奏のケース別』に、各課題に合った曲を演奏し、電子、アップライト、グランドの表現力の違いを実証実験。後半の試奏タイムでは聴講者自身でも弾き比べを体験しました。
続編企画として4月20日に子供(参加者)を対象とした『コンクール参加者のための“ピアノ構造学教室”』も開催予定です。
- 打鍵の弱い生徒さんに、今まではお家の電子ピアノの音量が大きくて音が出やすいために指が弱いのではないかと話していましたが、逆に音量を出していないが故に強弱が聞こえず、ふにゃふにゃと弾くのではないかと新たな学びになりました。
- 教室のピアノは重いとよく生徒さんに言われますが、実際に自分が弾いてみると重いというよりタッチの質が違うのだとよくわかりました。電子は、良くも悪くも生ピアノよりも簡単にできること(トリルなど)が案外多く、弾き方・指導の仕方の参考になりました。
ピアノ選びで試弾する際に役立つ、コンペ課題曲の譜例が掲載された「試弾シート」を作成しました。スタッカート、レガート、ペダルを使う曲、など、様々な曲の要素を試弾して、ピアノによる違いを体験してみてください。


各地楽器店にて、コンペティションへの士気を高めあうコンペ説明会や交流会を開催いたします。コンペティションへのモチベーションアップに、どうぞお気軽にご参加ください。

ピアノ指導者交流会は、ピティナ本部から提案のあった「コンペ活用説明会」を活用すれば、若手の先生方がコンペを活用し、生徒も先生も学びを深める機会になるのではと思い立ち、笹山美由紀先生にご相談したところ「ピアノ指導者交流会」として、対話型・参加型の形で開催する事となりました。
テーマとして、
- コンクールを活用して生徒のスキルアップと指導者の学びに繋げる
- 生徒のモチベーション維持に本番を活用
- コンペ課題曲(A1級、連弾初級Aなど)と普段の教材の進め方
- 連弾を通じて協調性を育む
といった内容で予定しております。皆様との対話の中で、それぞれの指導者に合ったコンペの取り入れ方を見つけていただければと思います。


コンペティションに対して“よくわからないから”や“予選を通過することが難しいから”という理由だけで参加を躊躇されていらっしゃる指導者の方も多いように日々感じておりました。
実際には、コンクールに参加して評価を受けるだけではなく、「生徒と指導者が共に成長できる経験の場」であり、「ピアノ演奏やレッスンを通じて他ではなかなか体験できない貴重な価値」があることをお伝えしたいと思い、この度、コンペ活用説明会を開催することにしました。
今年はコンペティションへの参加をお勧めする素敵なツールが増えて、ぴてぃにゃんが全面的に露出されているので、指導者の方も生徒さんへのアプローチがしやすくなったのではないかと感じています。
コンペ活用説明会に参加された指導者の方に対して、ピティナの事業内容についてもご紹介することで、指導者の方が知っておきたい情報や様々な体験の場、生徒さんへの活用ツールが幅広くご用意されていることを知っていただく機会になればと思っております。
まだ会員になられていない指導者の方にも広く告知をして、コンペの理解を深めるとともに、ピティナへの入会相談会も同時に開催する予定です。
この機会を通じて、ピティナについての理解が深まり、コンペやステップをご活用いただくことで、会員の皆さまのご指導がますます充実することを願って当日を迎えたいと思っております。
ピティナから中津美和さん、ゲスト講師として甲斐環先生をお迎えして、濃密な1時間を作り上げたいと思います。アーカイブも募っておりますので、ぜひどなたでもご覧いただけたら幸いです。
イベント情報へコンペ交流会・活用説明会等イベント情報


- 3月21日(金)10:30-11:00、10:00-10:30総会
- コンペ交流会
- 支部総会同時開催
- ピティナ神戸中央支部
- 池川礼子
-
※支部会員へご案内※
- 4月20日(日)11:00-12:00
- コンクール参加者のための“ピアノ構造学教室”
- カワイ広島 パーチェ
- カワイ広島
- お話:有川(カワイ楽器 調律師)、演奏:宇高(カワイ広島 営業)
- 詳細・申込
- 4月22日(火) 11:00-12:00
- コンペ活用説明会 コンペの特徴・メリットを知ろう“はじめてのコンペ”~コンペってどんなコンクール?~
- ヤマハミュージック 福岡店 楽器・楽譜フロア
- ヤマハミュージック福岡店
- 厚地とみ子
- 詳細・申込
- 4月28日(月)10:30-12:00
- ~コンクール活用!生徒と先生の学びに繋げる~ピアノ指導者交流会
- ヤマハ横浜みなとみらい 3階サロン
- ピティナ横浜中央支部(ヤマハ横浜みなとみらい)
- 笹山美由紀
- 詳細・申込