第42回コンペ作文コンテスト結果発表!-6- 入選2作品
作文:入選

「曲におはなしが書いてあるなんて、めずらしいな。」 ピアノのコンクールで、ムニエの「木いちご」という曲をひくことになりました。めずらしいことに、楽ふにせりふが書いてあります。ドーデーの風車小屋だよりというお話をだいざいにした、と書いてあったので、どういう音でひいたらいいのか考えるために、読んでみることにしました。
風車小屋だよりの中には、いくつかのお話がありました。「コルニーユじいさんのひみつ」では、風車がたくさんたっているきれいなふうけいが、目にうかびました。
「スガンさんのやぎ」では、しぜんがあふれる山の様子がえがかれていました。今ものこっているのなら、見に行きたいと思いました。
また、こむぎを引くろば、庭につながれたやぎ、ぶどう酒をのみながらおどる人たち。のどかだなと思いました。
わたしは、このうつくしい風けいと、のどかな様子を、ピアノの音でひょうげんしたいなと思いました。
さらに、コルニーユじいさんのひみつでは、新しくできた工場に負けて、風車小屋がつぶれていきました。スガンさんのやぎでは、やぎとおおかみのたたかいの場面があり、一ばん中たたかったすえ、やぎはしんでしまいました。
そのような、ふあんな気もちやこわい気もち、かなしい気もちも音で表したいなと思いました。
はやい音ぷがならぶ中で、元気な音や弱い音など、いろいろな音を作るためには、指がしっかりしていないと出せません。
また、ステージの上できんちょうしていても、おきゃく様に伝えようとする気もちが大切です。
ピアノの先生といっしょに考えて、本番では、いろいろな音を作り出すことができました。しんさいんの先生方からも、音にさまざまな色があるとひょうかされ、おきゃく様にも伝えられたことがうれしかったです。
これからも、聞いている人に伝わるえんそうができるように、頭の中で物語を作ったり、イメージをふくらませながらひきたいと思います。

今年、初めてピティナのコンペに参加しました。埼玉本選に出場した8月8日水曜日は、私にとって、わすれられない特別な一日になりました。
その日は台風で、とても風が強くて、大雨もふっていました。会場まで歩いたので、かさが風にあおられてひっくり返ってしまいました。「さかさかさ~!」とお母さんと二人でさけびました。なんだかいやな予感がしました。着くころには、くつや足がびしょびしょになってしまいました。会場につくといよいよ自分のえんそうの番が来ました。まずは一曲目、プレイエルのソナチネです。仕上げるために大変な思いをした曲です。特に大変だったのは、16分音符が転んでしまうので、リズム練習を毎日たくさんしなければいけなかったことです。16分音符を右手も左手も全部やったので、泣きそうになることもありました。でも良いこともありました。私の家のピアノはアップライトピアノなので、グランドピアノを持っているお友だちのおばあちゃんが、コンペ本選前の1週間くらい、グランドピアノをかしてくれて、おばあちゃんの家で練習させてくれたのです。グランドピアノでたくさんリズム練習をした後は、おばあちゃんがかっているラッキーという犬と遊べるので、それを楽しみに練習しました。おばあちゃんのグランドピアノはすてきな音でした。でも、埼玉げいじゅつげき場のグランドピアノはもっと大きくて、さらにきれいな音でした。とてもまろやかな音だなぁと、ソナチネをひきながらうっとりしていました。
二曲目はレヴィのメヌエットです。ロマンチックな感じがして、コンペの曲の中で、一番大好きな曲です。この曲をひいている時、おばあちゃんの家にいた犬のラッキーをイメージしていました。私は犬のふわふわした毛が大好きなので、ラッキーをなでたり、だっこしたりするようなやさしい気持ちでひきました。
いよいよ結果発表です。私は何の賞ももらえませんでした。いっぱい練習したのに…。くやしくてくやしくて、しんさ員の先生方のコメントシートも見ることができませんでした。
お母さんと会場の外に出たら、台風の雨はもっと強くなっていました。なみだをこらえながらかさをさしたら、またかさが風でひっくり返ってしまいました。もう最悪!と思いました。でも今度はまた、すぐに強い風がふいて、かさが風の力で元の形にもどったのです!こんなことは初めてだったので、びっくりして、そしてなんだかおかしくてわらってしまいました。まるでかさが、「ひっくり返っても、また元にもどればいいんだよ。元気出して!」と言ってくれているようでした。
私は気を取り直して、先生方のコメントを読んでみました。とても役に立つアドバイスがたくさん書いてありました。特にメヌエットについて、「歌心あるやさしいえんそうだった」と言ってもらえたのがとてもうれしくて、少し元気になれました。
次の日、お友だちのおばあちゃんに結果とお礼を言いに行きました。ラッキーにもなでなでしてお礼を言いました。先生をはじめ、いろんな人に助けてもらったことと、さかさかさからのメッセージをわすれないで、また練習をがんばろうと思います。
