コンプリート賞 南方瞭さん&植田容子先生インタビュー
コンペには先生に勧められて挑戦し始め、そのまま夏の恒例行事となりここまで続けてきました。
ピティナのコンペ四期の課題曲は、曲の好き嫌いがはっきりしている僕にはどのジャンルにも必ず好きな曲があるので取り組みやすく、苦手な古典も楽しく学べたことは大変勉強になったと感じます。特にD級からE級に上がった時は、かなりレベルが上がり苦労しましたが、大好きなショパンのエチュードなどを弾けることでモチベーションが維持できました。
A1級からお世話になっている植田先生は、とても優しく僕の意見を尊重してくれます。課題曲も僕の好みで選ばせてくださり、レベルの高い曲でも弾きたいと言ったら挑戦させてくれるので、自分から演奏動画を聴いたり好きな曲を探したり、といったことが自然に積極的にできるようになりました。また、自宅ではピアノの練習がしにくい環境で音を出せませんが、先生がご自宅のピアノを貸してくださり、学校や部活動の帰りに寄らせてもらって本当にありがたいです。音が出せない時間が続くときには、演奏の動画を撮影しておき、聴きながら直したいところを考えたり、先生や親に聴いてもらって意見をもらったりもしました。
ピアノ、学業、部活動を並立しながら、和歌山支部のイベントやステップ、コンペを通して自分の限界に挑戦し、幅広く勉強できて良かったと思っています。
このたびは、このような機会を頂き、厚く御礼申し上げます。
自分の生徒さんには、コンペには「自分磨き」という目標を持って参加していただいております。
瞭さんは、バスケや勉強とピアノを両立し、成長への意識も強く持っている生徒さんです。あくまでもこちらからはサポートするというスタンスで、A1級からF級まで出場していただきました。
課題曲選びから演奏内容まで、極力自分で考えて工夫したものについて、アドバイスし、あまりにおかしいところは修正する、という姿勢で、自主性を重んじることを大切にしています。本人の曲の好みや得意不得意がはっきりしている分、四期を学べて課題曲の選択肢も豊富なコンペは瞭さんにとても合っていたと思います。また、和歌山支部主催のコンサートやステップに参加し、全国大会出演経験のある先輩の演奏などに刺激を受けたこと、お世話になった支部の先生方に今も温かく応援していただけることも、モチベーションを保つ力になっていると思います。他には、私のできる範囲で練習環境をサポートすることや、些細なことですが、出場時にちょっとしたプレゼントを用意することで、本人の努力したいという気持ちの支えになっていれば幸いです。
正直なところ、個人的には“競争”を苦手に思うところもありますが、コンペに参加し、「自分を磨いた」経験のある生徒さんたちは、大人になってもピアノを継続されています。最近は瞭さんも、自分らしい表現を探求し、それを見つけ表現できる喜びを感じ、演奏自体を楽しんでいるようで、私もとても嬉しいです。
子どもたちが、ピアノを一生の友として、心豊かに育ってくださることを、切に願っています。
(会報OUR MUSIC 372号掲載記事より)