ピティナ・ピアノコンペティション

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課題曲チャレンジ審査員インタビュー:横江良太先生(正会員)

課題曲チャレンジ審査員インタビュー
スピーカーからの音楽に耳を傾けて
横江良太先生(正会員)
東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業、ケルン国立音楽大学修士課程修了。アントンルービンシュタインアカデミー在籍。ニューヨークマッケンジーアワードコンペティション第2位。

動画審査ということで、パソコンの前に座り、イヤホンを装着してキーボードを構えて動画を聴く審査は新鮮な経験でした。

ピアノも録画環境もちがう、ある意味平等ではない環境の中で審査をするというのは難しさもあり、その分一人ひとりの演奏により集中し、審査する側としても学ぶことの多い機会となりました。

生の音ではなく動画を聴くというスタイルでも、参加者の皆さまの取り組む姿勢、演奏の魅力はしっかりと届くことを実感しました。ただ、もちろんそういう演奏ばかりではなく、スピーカーを通して聴こえる音は、ホールで聴く音より伝わる情報が少ないので、演奏者には曲を弾くだけでなく深い理解やそれを伝える力がより必要になるのではないかと感じました。

課題曲チャレンジの際に取り組んだように、自身の演奏を録画して客観的にできていること、できていないことを把握する工程は、日ごろの練習に大いに取り入れられますし、丁寧に曲に向き合うことで音楽を伝える力を磨くことに繋がると良いなと思いました。

また動画の音量についても音量のレベルは大事で、録画した演奏全体の音が小さいときちんと演奏が伝わらないですし、大きいと音割れして聴こえてしまいます。撮影のアングルや場所の広さもありますが、なるべく良い位置を見つけられると本来の演奏との差を埋められるのではないかと思います。

新たにこのような形でコンクールの課題曲に挑戦できるというのはピアノ学習者にとって良い場になりますし、動画審査のコンクールというのはこれからもあり続けると思いますので、参加者の目的に合わせて上手に活用していけると良いですね。

(会報OUR MUSIC 366号掲載記事より)