審査員インタビュー:長廻かおる先生(正会員)
審査員インタビュー
ピアノコンペティションにおける教育的配慮とは
長廻かおる先生(正会員)
国立音楽大学卒業、ウィーン国立音楽大学卒業、昭和音楽大学及び短期大学講師、同大学院講師。りょうもうステーション代表。プレイザミュージック代表。横浜菊名2(神奈川/6月12日)、町田(東京/6月25日)、名古屋栄後期(愛知/7月2日・3日)、新橋(東京/7月17日)、東日本千葉1(千葉/8月2日・3日)の審査を担当。
私はピティナ・ピアノコンペティションの審査員を務めてかれこれ10年になりますが、毎年、参加者の演奏レベルの向上と、詳しく勉強研究され、愛情を持って熱心に指導をされた先生方を目の当たりにして、大変大きな刺激を受けています。参加者の皆さんはもちろん緊張した面持ちでコンペに臨まれていることと思いますが、審査をする立場であり少々ナーバスになり気味な我々も、ひとたび会場に入ると実施事務局の細やかな気配りを感じ、「コンペを成功させよう!」という使命感とおもいやりが湧いてきます。
審査員としての最大の仕事は「採点」ですが、その裏付けとしての「寸評」は、読み手に伝わる言葉を選ぶように心がけています。「コンペは結果がすべて」と言い切らず、今後の成長の糧となるような教育的配慮のある言葉で書かれた寸評を読んでいただければ、入賞しなかった方々も「また、来年もコンペを受けよう!」「コンペは上達・成長への階段!」と少しでも思っていただけるかな、という気持ちを込めています。そして、指導者の方にも「コンペに参加しなければ気づかなかったこと、できなかった学習もある!」と、生徒さんたちに伝えていただけたら、と願っています。
(会報OUR MUSIC 366号掲載記事より)