審査員インタビュー:桑原怜子先生(正会員)
審査員インタビュー
コンクールとの向き合い方
桑原怜子先生(正会員)
桐朋女子高等学校音楽科卒業。ハンガリー国立リスト音楽院修士課程卒業。沖縄2(沖縄/6月19日)、特級一次(動画審査)、本郷グランミューズ(東京/7月3日)、Pre特級一次(動画審査)、千葉4(千葉/7月17日・18日)、北日本2(北海道/8月1日・2日・3日)の審査を担当。
今夏はA2~特級・グランミューズと幅広い審査を務めさせていただきました。全般的に素晴らしい演奏に出会えましたが、特にPre特級や特級では心を掴まれる見事な演奏を聴かせていただきました。
私が審査する上で心掛けていることは、たとえ控えめであったとしても、その人にしかできない表現や音楽性、そしてセンスを持ち合わせている演奏はきちんと評価し、点数に反映させることです。聴き手の心に届く説得力のある演奏は、自ら理解し納得した上で表現されている自分の音楽です。また演奏には、奏者の人となりが表れると私は思っています。温かく深みのある音楽が奏でられるよう、豊かな心を育んで下さいね。そして結果は大おおごと事に捉え過ぎないで下さい。コンクールは通過点です。「良くても有頂天にならない。悪くても大きなショックは受けない」よう結果を分析し、自分なりの改善点を見つけて次に進んでいきましょう。もし思うような結果にならず辛くても、それはあなたの将来にとって必ずプラスになる経験です。皆さんのピアノ人生を心から応援しています!
(会報OUR MUSIC 366号掲載記事より)