ピティナ・ピアノコンペティション

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コンペ指導のヒントーコンペに無理なく取り組む3つのテーマ

コンペ指導のヒント
第3回:コンペに無理なく取り組む3つのテーマ

■ ゲスト:大友ちひろ先生

2022年度コンペオンライン交流会での、ゲスト講師のお話から、コンペ指導のヒントをご紹介します。


私の教室では、教室に通う生徒みんながピアノを弾いて幸せになれるように、上達するための手段として、コンペを活用しています。できるだけ無理なくコンペに取り組めるように、意識している3つのテーマについて、お話したいと思います。

保護者対策:ママとの作戦会議

まず最初に(3月頃)、コンペ説明会のような保護者会を行い、初めて参加する方にとって、コンペがどのようなものか、ご紹介する機会を設けています。まずは予選は2曲で参加できることや、曲のレベルも取り組みやすいやさしいものから受けられることなど、できるだけ 初めてでも取り組みやすいお話 から、さらには経験者の保護者の方に経験談をお話いただいて、生の声を通して、コンペの様子をご紹介しています。
その後、個別に個人面談でママとの作戦会議の時間を設けています。日頃、レッスンではママと接することが多いのですが、パパやおじいちゃん、おばあちゃんの存在は大事だなと思っており、ご家族はどのようなスタンスでピアノの練習を見守っていらっしゃるのか、発表会やステージをどのように応援してくださっているのか、といった ご家族の気持ちや環境 についても伺っています。例えば、家での練習の際に、ママがつい白熱してしまって小言を言ってしまうと、パパは、その状況が嫌で「(ピアノを)やめなさい」と言われるケースがあります。その場合には、そういった状況にならないように心がけたり、練習の時間帯を工夫したりすることが大切になりますね。また、コンペに参加する時は、毎日練習する習慣が必要になりますが、パパは土日は家族ででかけたいと思われている場合など、例えば「今日はディズニーランドに行くから、その前にちょっと練習して行こうか」といった声かけをして、 遊びも大事にしつつ、日常の中に忘れない程度に練習を入れておく ということなど、家族で取り組めるようにパパが理解しておいてくれるとスムーズかなと思います。

電子ピアノでのコンペ参加

電子ピアノでコンペに参加することは、正直なところ難しいこと、コンペに参加される方は生ピアノで練習されている方が多いということは、お伝えした上で、電子ピアノだから絶対無理ということはないので、頑張ってみましょう、とお話しています。具体的な対策としては、レッスンの回数を多めにしたり、 練習室を借りて、グランドピアノで練習 してもらったりなどです。でも、電子ピアノでコンペに参加することは、生ピアノにグレードアップするチャンスでもあると思っています。生ピアノを置かない理由は主に3つあり、1つ目は環境的なもの(マンション住まいなど)、2つ目はパパの理解があまりないこと、3つ目は金銭的な問題です。環境的なものは難しい部分がありますが、パパの理解については、コンペへの取り組みや結果によって変わってくることが多々あります。
金銭的な部分では、まず生ピアノのレンタルをおすすめしています。レンタルであればご家族の理解が得やすく、気軽に始めることができる場合が多いようです。また、私の教室ではコロナをきっかけに発表会のYoutubeライブを実施しているのですが、地方に住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんにYoutubeで見てもらうことができ、最近なかなか孫と会えないのもあって、 成長をすごく喜んでくださいます 。そうすると、おじいちゃん、おばあちゃんにピアノの相談をして、Youtubeの効果でピアノを買ってもらった生徒さんも居ます。

兄弟間のコンペ参加

兄弟でコンペに参加する場合、保護者としては、兄弟2人が同じ予選の日に1日で済むと効率が良いと考えがちですが、例えば、午前中にお兄ちゃん、お姉ちゃん、夕方に弟、妹、といった時間割になってしまった場合、特に下のお子さんの年齢がまだ小さい場合には、集中力を持たせるのが厳しくなりますので、なるべく 日程を分けた方が良い と思います。また、練習もピアノの取り合いになりますので、兄弟で、参加する日程を離しておくと、本番前の練習の時期が多少ズレますので、練習のピークも分散させることが出来るかなと思います。


  • 2022年3月25日実施のコンペオンライン交流会 大友ちひろ先生のお話よりレポート
大友ちひろ先生
国立音楽大学音楽教育学部卒業。その後みどり音楽教室を立ち上げる。音脳リトミック講師資格取得。2012年ピティナ特別指導者賞受賞。台東スカイツリーステーション代表。