ピティナ・ピアノコンペティション

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コンペインタビュー:指導者編1~準本選で夏の挑戦を締めくくる

コンペ参加者インタビュー
準本選指導者
武田幸美先生(指導会員)
ハンブルク音楽演劇大学卒業。鹿児島女子短期大学非常勤講師、武田ピアノ教室講師、みやまコンセール協力演奏家、鹿児島県文化振興財団アーティストバンク所属。
顔写真

 予選が終わる6 月末で夏の挑戦は終わり。本選出場が叶わなかった子たちはどうしてもそこで燃え尽きてしまうことが多いです。予選でうまくいかず落ち込んでしまった子や、コロナ禍で思うように取り組めず不完全燃焼で終わってしまった子にとって今回の準本選はとてもありがたい試みでした。私自身もコンクールを経験してきましたが、本選に進めず悔しい思いをしたこともありました。本選に進めなければその挑戦はそこで終わり、用意した本選曲を弾けないのは当たり前でした。ですが準本選では本選曲の審査に加え、場合によっては賞もいただけるということで、驚くと共に少しでもたくさんの子に受けてほしいと感じました。夏休みもう一度頑張るための目標にしてほしい、そして予選で指摘された点を成長させるという、本来であれば来年に持ち越されるチャンスを逃して欲しくないという思いからでした。

 撮影は普段のレッスン教室にし、調律師さんに当日ベストな状態のピアノになるよう調律調整をお願いしました。特に、どうやって室内で良い音を響かせつつダイナミクスをつけて、それを映像にのせて弾けるかという点を普段より意識して曲作りをしました。その結果少し大きな子たちは、演奏する会場の響きによって弾き方や聴き方をもっと意識しないといけないと理解してきたように思います。また当日は何度も撮りなおすことを想定してどの子たちもレッスンを長めにし、どうしたら集中力を切らさずに良い演奏をし続けられるかという点も気にしてレッスンをしました。最初の頃は集中すると1・2 回弾いて疲れていた子たちも、最後は何十回も弾けるようになっていて成長を感じられました。

 弾き慣れた場所ではあったので緊張しすぎるということはなく、撮るたびに自分たちで聴きなおして改善点を考えて再演奏するという贅沢な時間の使い方ができたことはとても良かったと思います。ただリラックスし過ぎて気が抜けてしまう子や段々疲れてきてしまう子たちもいたので、保護者の方々にもサポートしていただきました。途中でドレス姿の写真撮影やもぐもぐタイムを挟むようにし、自分たちで納得できる最高の演奏を撮ることを目標に、長時間の撮影をみんなで乗り越えました。良い演奏に辿り着けた後はみんなで喜び「終わったー‼︎ 疲れたー‼︎」と言いながらニコニコ笑顔で達成感を感じながら帰っていったのがとても印象的で嬉しかったです。

 後日、奨励賞・優秀賞をいただけた子たちはウェブサイト上に大々的に名前・演奏が載り、その子たちは特に大きな喜びを感じていたようでした。また、本選のための曲で賞を受け取った子どもたちと一緒に受賞の喜びを分かち合うことができて私自身も幸せでした。

 準本選という場で夏の挑戦を良い演奏で締めくくり、みんなが自信を持って新しい目標に向かって前を向く機会をいただけたことが指導者として何よりも嬉しいです。

 この大変な世の中で準本選という機会を作ってくださったピティナ本部のスタッフの方々、審査の先生方、本当にありがとうございました。

演奏風景1
演奏風景2
ピティナ会報(OUR MUSIC)第360号より転載