ピティナ・ピアノコンペティション

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コンペティション課題曲説明会に行ってみよう!

コンペティション課題曲説明会に行ってみよう!

2019年ピティナ・ピアノコンペティションの「開幕式」とも言える、3月1日・2日に開催されるコンペティション課題曲説明会。このイベントは、課題曲の説明から指導法の実演まで、四期の課題曲について網羅的に学ぶことができ、毎年好評をいただいています。

トピックス
「四期」を学べるピティナの課題曲

未就学から一般まで幅広い方に参加いただけるピティナ・ピアノコンペティションの課題曲は、毎年、当協会コンクール事業部課題曲選定委員会において、ピアノ教育のニーズや方向性、ピアノ学習者の傾向や要求をふまえて検討されています。コンクールへの参加を通して、参加者の年齢における成長の糧となることでしょう。

豪華な講師陣

課題曲説明会の目玉は、なんといっても通常一度の機会に集まることがない豪華な講師陣です。ピアニストとして第一線で活躍し、現場の指導・全国のセミナーでも大人気の講師陣が勢ぞろい。多角的に課題曲を分析していきます。

ソロ部門
  • 赤松林太郎先生
  • 関本昌平先生
  • 鈴木弘尚先生
  • 佐藤卓史先生
デュオ部門
  • Piano duo Yu & Ai(山崎裕先生・濱本愛先生)
  • 中井恒仁先生&武田美和子先生ピアノデュオ
決勝大会の会場でもある浜離宮朝日ホール

2019年コンペティション決勝会場のひとつでもある、浜離宮朝日ホールは、都内でも有数の本格的な音楽ホールです。普段の練習では見落とされがちな、「会場での響きをイメージする」ことをリアルに体感できます。

セミナー参加ポイントがつきます

講演内容をセミナーレポートとしてまとめて提出することで、セミナー参加ポイントがつきます。ご自身の学びの総括として、この機会をご利用ください

課題曲の楽譜をその場で入手

当日は、会場ロビーにて、楽譜の販売があります。課題曲の指導で助けになる、「アナリーゼ楽譜」も販売。説明会に参加してモチベーションがあがったら、すぐに準備を始めることができます!

また、全国から来場される指導者の先生方の雰囲気を感じ、指導へのモチベーションがあがること間違いなし!ぜひこの機会に、2019年の新たなスタートを切りませんか?

メッセージ

講師の先生方からご来場をご検討の皆さまへのメッセージが届きました!

バロック赤松林太郎先生
小さな作品からの学びが、大きな時代を知る機会になる

昨年度に引き続き、バロックの課題曲について解説させていただきます。
北イタリアに端を発したバロック音楽は、約150年にわたりヨーロッパ各地で発達したもので、時期によって、地域によって、作曲者によって多様なスタイルを見せています。そのため、A1級に出されるような小さな作品であっても、それぞれに特徴を有しており、一曲でも多く触れることで、この大きな時代の一端を知る機会になるでしょう。
絵画において、もしアトリビュートを知らなければ、主人公を特定することすらできません。高度な芸術ほど寓意と象徴に満ちており、音楽もその例外ではありません。美を感覚的にとらえるために必要なことを、一つずつ丁寧に学んでいける機会として、コンクールならびに課題曲説明会を利用していただければ幸いです。

クラシック佐藤卓史先生
「ポスト古楽の時代」への提言

2017年に引き続きクラシックを担当させていただくこととなりました。ピティナ・ピアノコンペティションでは各級とも4期の課題曲を演奏することが求められており、その根底には「作品の時代によって演奏様式を変化させるべき」という思想があります。この考え方は100年前には一般的ではありませんでしたが、20世紀の後半には主流となり、その後の国際コンクール等でも重要な審査基準のひとつとなっています。
この思想の背景には「古楽復興運動」がありました。まずはバロック時代の楽器を復元することから始まり、当時の楽器(「ピリオド楽器」)を使用し、当時の奏法(「ピリオド奏法」)を研究し実践することで、作曲家が聴いていた(思い描いていた)音楽の「本来の姿」に迫ろうという活動です。
はじめは異端と思われていた古楽は、次第に音楽界のメインストリームを占めるようになり、バロックの鍵盤楽曲はチェンバロで演奏することが当然になりました。ピリオド・アプローチはやがて古典派へ広がり、現在では後期ロマン派までもを射程に収めています。
ピアノの場合、楽器の誕生からモダンピアノが完成するまでの約200年間の楽器を「フォルテピアノ」と呼びます。現在では世界的なコンサートピアニストがフォルテピアノを演奏することも珍しくなくなりました。ピリオド・アプローチは、今やすべての音楽家が「知っていて当たり前」の常識に登録されたのです。 しかし、私たちは依然としてモダンピアノで演奏する機会が圧倒的に多く、ピリオド楽器に触れられる機会は多くありません。ピリオド楽器にもさまざまな種類がありますが、少なくとも古典派の時代のフォルテピアノは、モダンピアノとは全く異なる特質の楽器と考えた方がいいでしょう。フォルテピアノの奏法を、そのままモダンピアノに移植したところで必ずしもうまくいくわけではありません。
ピリオド楽器を通して体得した奏法の知識や経験を、いかにしてモダン楽器に「翻訳」するか。それが、21世紀前半の「ポスト古楽の時代」を生きる音楽家の大きな課題なのではないでしょうか。モダンピアノの研鑽を続ける傍らでフォルテピアノを学び始めた十数年前から、私はずっとそのことを考え続けてきました。 今回もその研究の一端をお話しできればと思っています。どうぞお楽しみに。

ロマン鈴木弘尚先生
色彩豊かな表現とともに、ピアノという楽器が鮮やかに成熟していく時代

2016年と同じく、今年もロマン派を担当させていただくこととなりました。
それまでの時代、対象が「神」「宗教」、その後「貴族の娯楽」であった音楽が、文学・美術・哲学のロマン主義運動の影響を受け、「人間の持つ感情(恋愛、喜び、苦悩、夢など)」にフォーカスした、より主観的で個人的情感の発露、非日常的な理想や夢といったものへと対象を変えていきました。フランス革命により王族が倒され、教会や宮廷のものであった音楽が一般市民も楽しむものとして裾野が広がり、コンサート、楽譜出版、ピアノ指導など、現在私達が仕事としているこの業界の基盤が形作られました。
そして、音楽において半音階や転調の多用などによる表現が確立し、ピアノという楽器の進化によってそれらをカラフルに音で表現できるようになってきました。ペダルの使用が前提となる色彩豊かな表現も作曲家が求め、楽器もそれに応えられるまでに成熟していく時代、それがこのロマン派です。
私達の従事しているこの芸術は、音によってすべてを語らなくてはなりません。当然ながら、音は目に見えませんが、多彩な色合いで様々な情緒を表現していくことで、あたかも目の前の大きなキャンバスにカラフルな絵が描かれているかのように、音による絵画を浮かび上がらせることができるのです。
比較的小さなお子さんが弾くような課題曲にも、多種多様な表現の可能性が秘められています。普段のレッスンからそれを探っていくことで、技術的にも音楽的にも飛躍的な成長が期待できる、そんなロマン期の課題曲を、ぜひとも浜離宮ホールという素晴らしい会場にて実際に鳴り響いている音を通して共有し合い、今後に繋がる何かを見つけていただければと思います。

近現代関本昌平先生
実際のホールでの音の響かせ方は必聴!

課題曲セミナーではほとんどの課題曲を解説と演奏付きで知ることができます。実際にコンペティションに挑戦される方はその中から自身の挑戦したい曲をピックアップしてみるだけではなく、他の級の同じスタイルの作品の解説を聞くことでそれぞれの時代の作品を勉強するうえで大切なことが見えてくるかもしれません。指導者の皆様は生徒さんそれぞれの個性に合った作品をアドバイスするうえでも、その後の指導のヒントとしてもピンポイント解説を聞くことは非常に助けになるでしょう。
また今年度は講師陣全員が演奏活動をしているピアニストです。実際のホールでの音の響かせ方や空間の使い方、また作品に取り組むうえでのピアニストのこだわりや個性も垣間見れるかもしれません。コンペティションへの準備の第一歩としてはもちろんのこと、音楽を勉強していくうえで非常に大切な時代ごとの作品の特徴や音の出し方、音色を実感していただく機会としてもぜひ会場に足をお運びいただけたら嬉しいです。皆様とお会いできるのを心より楽しみにしています!

デュオ部門中井恒仁先生&武田美和子先生
音楽の楽しみを

平成最後の年越しで親戚が集まった時に、小1の女の子がお父さんと連弾を披露してくれました。和やかで温かい空気、なかなかいい時間でした。そういえば、私達も子供の頃、母と連弾で発表会に出たことがあります。大学受験の面談時に「大学に入って何がしたいですか?」と聞くと「室内楽も勉強したい」と答える受験生がたくさんいます。ピアノは黙々と1人で練習しまくるイメージが強く、それは必要なのですが、アンサンブルはピアニストにとっての楽しみの一つでもあります。連弾は、最も身近にあるピアノ学習者にとってのアンサンブルの手段ですね。
アンサンブルをすると、耳が鍛えられる、呼吸が自然に身につく、音楽の作りや表現内容をより考えるようになる、自分の音に責任を持つようになる・・・等、良いことがたくさんありますが、やはり音楽の楽しみが増えるということが一番だと思っています。コンクールを受けるとなると、たくさんの練習が必要になりますが、そこに新たな喜びを持って臨めるのではないでしょうか。
課題曲説明会では、上手に弾くためのポイントが中心になりますが、この楽しさも皆さんと共有できたらと思っています。ネット配信もありますが、やはり課題曲説明会もコンサートと同じでその場の空気から感じ取っていただけることもあるように思います。先生や保護者の方だけでなく、やる気満々の生徒さんも始めたばかりの生徒さんも、一つの音楽イベントとして、この課題曲説明会に一緒に来てくれると嬉しいです。

デュオ部門Piano duo Yu & Ai(山崎裕先生・濱本愛先生)
アンサンブルは協調・コミュニケーション・思いやり!

今年、デュオ部門の説明会は土曜日の開催と言うこともあり、コンペティション参加を検討されている多くの生徒さんにも、足をお運びいただきたいです。「この曲がいいね」とか「この曲は自分たちにはちょっと・・・」など、生演奏を聴いた印象を受けて、ぜひ先生や連弾のパートナーと活発な意見交換をしてみてください。初級B~中級Bまでの予選課題曲は、私たちが全て演奏いたします。ライブの楽しみは、ホールにいる全員が、音楽の生まれる瞬間に立ち会えることにあります。皆様がホールにいらして、その空間で体験したことは、片手間にCDや録音を聴いて感じるものよりも、はるかに数多くの発見や気づきがあるはずです。
音楽の基本はアンサンブルにあります。ピアノは楽器の王様と呼ばれているだけあって、一人で多彩な音楽を作ることができます。ですが、オーケストラやあらゆる楽器の演奏形態から見た時に、実はピアノの方が特殊であると言えるのではないでしょうか。現在、取り組んでいるピアノ曲のバス、または内声、対旋律など、どのくらい意識できていますか?左右で全く違う動き、強弱の差、細かいパッセージなど、意識しなくてはいけないことが多すぎて、なかなかそれらに気が回りにくいものです。その点、連弾は左右の音数が少なく、それぞれの手に奏者の息吹が吹き込みやすく、各パートの役割を認識でき、そしてアンサンブルの意識が実体験からイメージできるようになります。ソロでは勝手に弾き始められることでも、合奏では最初から相手の目や身体の微細な動き、息遣いを感じなければなりません。そのような点からも、アンサンブルは協調、コミュニケーション、思いやりで成り立っており、拠ってピアノ音楽の基本もまたそれと同じです。ピアノソロの譜面をより多角的・立体的に読めるようになるためにも、連弾をぜひ体験していただきたいです。 浜離宮ホールでお待ちしています!

皆様のご参加を、心よりお待ちしております!