ピティナ・ピアノコンペティション

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第41回コンペ作文コンテスト結果発表!-6-

ピティナ・ピアノコンペティション作文コンテスト結果発表

2017年度コンペ作文コンテストの入賞作品を、毎週2作品ずつご紹介いたします。今回は、入選に選ばれた2作品を全文掲載します。
入賞作品の結果一覧はこちら

ピティナ・ピアノコンペティション作文コンテスト

作文:入選
西森 葉音
伝えようとする気持ちと感しゃの心で
西森 葉音(愛媛県・小学4年生・B級に参加)

「ピアノは、打ち上げ花火のようなもの。」
この言葉は、母がよく口にする言葉です。一しゅんのかがやきの中に、これまでの努力や表現がどれだけ出せるかを表した言葉です。私も、その通りだと思います。遠くから見る人は、そのかがやきしか分からないけれど、花火そのものは、一生けん命で自分の役わりを果たすことに必死だと思うからです。

昨年のピティナ予選では、しょうれい賞という結果で終わり、くやしい思いをしました。今年度は、予選通かを目ひょうに日々練習をつみ重ねてきました。しかし、練習は毎日楽しいことばかりでなく、正直言ってしんどくて逃げ出してしまいたいこともありました。

B級の現代曲「レインドロップス」では、一曲の中にいろいろなひびきが出せず、テクニックばかり追い求めていました。そのせいか、予選二地区を受ける中の一地区目では、思った表現ができず、さらっとひいて終わってしまいました。尾田先生からは、
「伝えようとする気持ちが足りないよ。何をどう表現するか。はのんちゃんらしい雨の楽しさを伝えないとね。」
とアドバイスしてもらいました。

私は、もう一度楽ふを見直し、この曲のもつイメージをさいかくにんしました。このお話の中に出てくる小さい女の子が、お気に入りのかさや長ぐつをはいて水たまりで遊んでいる様子を前半で表現すること。後半では、にじがかかり、きれいな空を見上げて明日を楽しみにする気持ちを伝えること。この二つを頭におき、指先だけでなく体全体で表現しようと練習しました。

一週間後にまっていた予選二地区目。いよいよ私の出番です。一曲目のかろやかなソナチネの後、たくさん練習したレインドロップスをひきました。ひいているときは、一しゅんの花火のように集中できていたと思います。

結果は、ゆうしゅう賞、予選通かでした。母や先生は、いっしょに喜んでくれました。私は、自分の伝えたい表現が伝わった喜びでいっぱいでした。

ピティナを通して、たくさんのことを勉強中です。ピアノは、打ち上げ花火のように一しゅんかもしれないけれど、私はその一しゅんのかがやきのためにこれからも日々の練習をがんばっていきたいと思います。そして、わすれてはいけないのが、周りでささえてくれている母や尾田先生、上月先生方のおうえんがあるということです。感しゃの気持ちをわすれず、来年の目標に向けて一歩一歩進んでいきます。

作文:入選
長谷川 美藍
音作りにかんぱい!
長谷川 美藍(神奈川県・小学4年生・C級、連弾初級に参加)

私は、今年ピティナに参加するどころではありませんでした。手が痛くて、いくつも病院に行き、治療法を学ぶのに必死だったからです。しかし、インターネットである先生を見つけて、見学をすると、そこでは全く違うレッスンをしていたのです。今までの先生は指を上げて腕は使わないという練習法でした。それが痛みの原因でした。私は、悩み事を抱えて、教室のドアをノックしました。これが泉ひろこ先生と私の出会いでした。習い始めてしばらくすると、先生がピティナのC級に挑戦しようとおっしゃいました。こうして、私はピティナに参加する事になったのです。

バッハ『インベンション六番』と平吉毅州の『子守歌』を選び、早速練習を始めました。その時に、私は心の中で、
(好きな曲だし、忘れかけてた頃だから、丁度いいな。)
と思いました。

先生の教室に入ったばかりの頃、私はこんな簡単な曲を弾くのかと思い、少し衝撃を受けました。てっきりもっと難しい曲を弾くのかなと予想していたからです。でも、やってみると、腕をやわらかく使う事や、指を寝かせたりする事に、苦戦したのです。その難しさを乗り越えて、頑張って練習をしました。レガートを中心に、一から学び直し、ピティナの曲を仕上げたのです。

そして、コンクール当日......。私の番号が呼ばれ、舞台に出て、おじぎをすると、沢山のお客様が拍手をしてくれて、とてもうれしかったです。その時はドキドキ心臓が波打っていました。いすに座って心を落ち着かせ、弾き始めると、長い間練習してきた成果を見せようという思いがわき立ちました!結果は、予選通過でした。この時のうれしさは、金色のお花がパァッと一斉にさいた様でした。それと同時にホッとして安心感が広がりました。

泉先生が教えて下さったからこそ、今回のコンクールは予選通過したのだと私は思っています。新しい練習法は色々あります。例えば、腕の重みを鍵盤に伝えるために、物につかまるようにして、腕の力を抜いて、指には力を入れます。その腕の重みを使って弾くと、きれいなすんだ音色が出せます。

この練習法を学んでから、私のピアノ人生は急激に変わりました。つまり、今まで出来ていなかった、音を作るという事が出来るようになってきたのです!オレンジ色の積木を重ねていましたが、今は、金色の積木を重ね始めたような気分です。とんかちやかなづちでたたくような強い音ではない、けれどもつかまる力を利用して響く音が出せるという事です!四年生の私でも、新しい音作りの道が開けたのです。

このような演奏法をいかして、次のコンクールや、未来の私につなげていけたらいいなと思いました。