ピティナ・ピアノコンペティション

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「課題曲チャレンジ説明会」速報レポート&黒田亜樹先生メッセージ

4月24日(金)の広島中央支部主催(協力:カワイ広島店)を皮切りに、27,28日には本部主催でも「課題曲チャレンジオンライン説明会+情報交換会」がスタートしています。

先生方にとっても本部事務局にとってもまったく新しい挑戦となる「課題曲チャレンジ」の趣旨と内容を確認し、疑問を解決し、この新たな企画に皆で「命を吹き込む」機会となっています。27日には江本純子先生・黒田亜樹先生・斉藤香苗先生が、28日には永瀬礼佳・熊谷麻里先生・黒川ちとし先生が、それぞれの立場・視点からこの「チャレンジ」を意味付け、参加してくださった先生方がさらに肉付けしてくださいました。

説明会の予約は、まだまだ受付中! この後も、追加開催や支部・ステーション主催での開催、対象やニーズを区切った開催などを検討しております。

説明会のメッセージから

今こそ、生徒さんとともにひとつの作品づくりを
黒田亜樹先生

私はふだんミラノに住んでいますが、3月、ロックダウン間際のイタリアからスーツケースひとつで日本に帰ってきました。2月から既に緊張状態にあったイタリアと帰ってきた日本との温度差、その日本でも、地域や仕事内容のちがいによる温度差、政府の対応、緊張感…色々なことを日々感じていたところでしたので、今回、ピティナがはっきりと中止を決断し、「課題曲チャレンジ」というしっかりした方針を打ち出してくださったことに、私は、とても勇気づけられました。もちろん、中には「本選・全国というコンペをやめないでほしかった」というご意見もあるかもしれませんが、イタリアから帰国した私の感覚では、この状況はまだしばらく続くと思っています。

この課題曲チャレンジならば、どのような状況の生徒さんも参加できますし、今までのコンペならば参加できなかったようなお子さんも参加できると思います。「チャレンジ」という企画を聞いて、私は「先生と生徒さんとで一つの作品を創るチャレンジ」にするのがいいと思いました。慣れないオンラインレッスンに苦戦している先生もいらっしゃると思いますが、不安定な回線状況に悩まされることもなく、録画した演奏をやりとりして、じっくり見てアドバイスしてあげて、「もう一回撮ってみよう」「よし、これを応募しよう!」などと生徒さんと一緒に磨き上げていく過程は、まさに今しかできない素敵な時間です。

私たちは今、間違いなく歴史の一ページに残る時期を経験しています。外に出てたくさんの貴重な経験をすべき大切な時を、自宅で過ごさなければならない子どもたちは、精神的にも現実的にも、色々な犠牲を強いられています。こういうときこそ、私たち指導者が力を貸し、演奏や音楽を通じて、何か、手を差し伸べなければなりません。この苦しい時期を、いつか数年後に子どもたちが思い出したときに、「コロナでずっと自宅にいなければならなかった、あの年の演奏」という一つの作品として創っておいてあげられたら、それが生徒さんたちの心の支えになり、また、評価を超えた、先生と生徒さんとの絆とか思い出になるのではないかと思います。

自宅でじっとしていると、私も、イタリアと日本を飛び回って生活していた日々が夢か幻のように思われて、ちょっとつらい時もあったのですが、今、こうして先生方のお顔を画面越しに見られて、新しい目標に向かってまた皆さんとともに歩んでいけたらと思っています。

  • 4月27日、課題曲チャレンジオンライン説明会をもとに編集