特集:課題曲を聴き比べて耳と心を豊かにしよう!
「課題曲チャレンジ」のA2~B級とC級近現代の作品を、5人の期待の俊英たちが心を込めて弾いてくれました。若きピアニストたちから、ご自宅でピアノ学習を頑張る子どもたちへ、心からのエールをおくるスペシャル企画です。お楽しみください!
聴き比べのこころがけ
- この企画は、演奏の上下を比べるものではありません。同じ曲が、ピアニストごとにこんなにもちがった方法で表現されることに心を動かし、音楽の世界の広さを感じていただくためのものです。豊かな心と耳で、音楽のうつくしさにふれてください。好みに合わないところを探したり、「正解」を求めたりするようなつまらない聞き方ではなく、ピアニストたちが音にたくしたメッセージを受け取るように耳をかたむけてみましょう。
- ピアニストが楽譜から「こんなふうにこの曲を表現したい」と思ってまとめた考えを「解釈(かいしゃく)」といいます。それぞれの演奏から、どんな「解釈」が聞こえてきますか?どんなふうに弾きたいとイメージしているのでしょうか。先生やご家族の方、お友達といっしょに、話し合ってみましょう。
- ピアニストが持っている<音>そのものを聴き比べてみましょう。同じ楽器なのに、なぜこんなにもちがう音がするのでしょうか。「輝きのあるクリアな音」「優しくてやわらかい音」「上品なお姫様のような音」「どっしりとした王様のような音」「あたたかくてまろやかなクリームのような音」…好きな音を見つけてその様子をことばにしてみましょう。そして、ピアニストがそれをどんなふうに出しているか、じっくり観察してみましょう。
- この企画の演奏は、あくまでも鑑賞の楽しみをお伝えするもので、演奏の見本・手本を示すものではありません。
A2級
- パプ・ラヨシュ「ブランコ」は、権利の関係で公開はありません。
A1級
B級
- デロ=ジョイオ「バガテル」、ハチャトゥリアン「小さな歌」は権利の関係で公開はありません。
C級
ピアニスト紹介
金子淳(かねこ・じゅん)
2010特級銅賞。武蔵野音楽大学大学院を修了したのち、イタリア・イモラ国際ピアノアカデミーに学び、主にロシアのピアニズムとレパートリーを習得して修了する。現在は、武蔵野音大講師。演奏はもちろん、コンペ審査員・ステップアドバイザーとしても活動中。
鴨田友梨香(かもだ・ゆりか)
東京藝術大学卒。ピティナ・東音企画Wキャリア職員として研鑽を積み、ピアノ指導者として後進の育成に励む傍ら、コンペ審査員・ステップアドバイザー・ブルクミュラーコンクール審査員・セミナー講師等で活躍中。
江夏真理奈(こうか・まりな)
2012特級銀賞。東京音楽大学を最優秀の成績で卒業後、イギリスの名門ギルドホール音楽院で名匠ロナン・オホラ氏の長年の薫陶を受け、数々の国際コンクールで優秀な成績をおさめた。現在は、国内に拠点を移し、演奏・指導・審査で積極的に活動中。
菅原望(すがわら・のぞむ)
2012特級グランプリ。東京藝術大学・大学院を修了後、ハンガリーのリスト音楽院One year Piano Soloist Courseに学ぶ。現在は、母校、常盤木学園や東京芸大等で後進の指導に当たるほか、ステップアドバイザーやセミナー講師でも各地から引っ張りだこの大活躍。
田口翔(たぐち・しょう)
東京藝術大学付属音楽高校を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院で研鑽を積み、フランス・クリダ、アルド・チッコリーニといったフランスのピアニズムを代表する名匠たちの指導を受ける。現在は、ピティナ本部事務局員として勤務しながら、指導・審査・演奏でも各地を訪れている。