2018年度のコンペティションはサントリーホールでの初めての特級ファイナル開催を持って終わりを迎えました。
今回のコンペティションの参加人数は、のべ45,755組となり、5,427名指導者が生徒さんをステージに送り出してくださいました。そこには様々な物語があったことと思いますが、今回は初めて生徒さんをコンペティションに出した先生方の挑戦をご紹介いたします。
2018年度に初めてコンペティションを指導した先生は576名、そのうちの314名がピティナ会員の先生方です。コンクールまでにどのような段階を経てきたのでしょうか。
ステップに参加させていた:53%(165名/314名)
ピティナ・ピアノステップはいつでも、どんな曲でも参加できる公開のステージです。3名のアドバイザーからの直筆の講評がもらえるので、コンペに参加する前に、どうすればより良い演奏になるかを知ることができます。コンクールと同じ会場で開催される場合は、当日のリハーサルにもなります。ステージに立つことは、レッスン数回分の価値があると言われますので、日々のレッスンの上手に取り入れていただければと思います。
提携コンクールに参加させていた:10%(31名/314名)
コンクールと言っても、課題曲や規模や通過数は様々です。生徒に合ったコンクールを経験させることで、自信がつきますし、今までは見えてこなかったその生徒の良さ、逆に自分の指導が足りない部分が見えてきます。ピティナのWebページから申し込める提携コンクールの中には、1曲での参加が可能、レッスン教本での参加が可能、自由曲での参加が可能など、様々なタイプのコンクールがあります。ステップアップの手段として取り入れてみてはいかがでしょうか。
課題曲説明会、公開レッスン、セミナー、レッスン見学に参加した:51%(161名/314名)
初めてのコンクール指導の際に、ぜひご参加いただきたいのが、本部主催で開催されている課題曲説明会(2018年度は、3/1、2に浜離宮朝日ホール大ホールにて開催)です。ピアニストが各時代の作品について演奏を交えながら解説されます。3月2日からは全国各地でも課題曲セミナーや公開レッスンが開催されます。当該年度の課題曲の演奏を聴いてみることで、選曲や指導の役に立つことはもりろんのこと、各地から参加されている指導者と交流することで生の情報を得ることができます。「まだ参加させるかわからない」という段階でも、「この曲をあの子に弾かせたい!」という一曲に出会うことができるかもしれません。また、各地で開催されるレッスン見学もこの時期は、コンクール指導が中心。他の指導者がどのようにコンクール指導をしているのかを間近で学ぶことができます。ディスカッションの時間では、コンクール指導の悩み相談も!
それ以外にも指導のヒントになるセミナーが、各地でほぼ毎日開催中です。
まずはご自身の地域でのセミナーを検索してみてください!
あなたはなぜ、コンペティションに?
ピティナのコンペティションは、昨年自分の息子が甲斐環先生のご指導のもと出場したことで知りました。今年は指導者として、「挑戦してみたい」と言ってくれた生徒さんと共に取り組みました。コンペティション期間中は甲斐先生からご指導や色々なアドバイスを頂き、安心して決勝の当日を迎えることができました。
生徒さんを参加させるにあたり、地元滋賀で開催されている課題曲セミナーに参加しました。一つの曲に色々な解釈があることを知り、指導の方針や選曲にとても役立ちました。また、大阪で参加した岡原慎也先生の公開レッスンでは、どんな小さい生徒さんからも意見を引き出そうとする指導に感銘を受け、自らの指導を振り返るきっかけとなりました。以前に参加した講座も含め、セミナーに参加したことで、コンペティションの指導に大変役立てられたと思います。
今回同じ教室の生徒さんが全国規模のコンクールで良い成績を頂けたことで、これまであまりコンクールに積極的ではなかった生徒さんも、興味を持って頂けたようです。今回受賞した生徒さんが一生懸命ピアノに取り組む姿は他の生徒さんたちにも刺激になり、教室全体が活性化し始めていると感じています。
「受かる、受からないが重要ではなく、参加させることがとても勉強になるよ。」
と沢田菊江先生から勧めていただき、ステップやブルグミュラーコンクールからのステップアップとして、希望した生徒に参加させてみようと思いました。
課題曲CDを購入して聴いたのですが、素晴らしい曲が多く、大変勉強になり、発表会のレパートリーとしても取り入れることができました。また、四期の曲を学んでもらうため、たくさんの曲を生徒に弾いてもらうことで、読譜力の向上にとても役立ちました。
ピティナ・ピアノコンペティションは、他の参加者も大変熱心に勉強されている印象を受け、生徒自身も刺激を受けたようです。
初めてコンペティションに参加させる、知り合いの先生とも情報交換をしながら、課題曲CDを何度も聴いたり、アナリーゼ楽譜をすべて揃えたりと、生徒だけでなく自分のステップアップにもなりました。
この度、コンペティションの予選で入賞した生徒は全員、広島中央支部主催の第一回目となる入賞者記念コンサートに参加します。私も今からとても楽しみで、教室の他の生徒達にも、是非見に来てもらいたいと思っています。
今まで参加していた埼玉コンクールがなくなったので、その代わりとしてピティナ・ピアノコンペティションに生徒達を参加させてみました。
予選が同じ曲で2地区参加可能というところも魅力的でしたし、審査員の先生方が毎回変わる可能性が高く、その都度新たな評価やアドバイスをいただけたり、逆に同じ指摘をいただいたりと、自身の指導の振り返りに大変勉強になりました。
会場の選択肢があることは勉強にもなったのですが、どんな会場でも落ちついて演奏するというのはとても難しいことだと改めて感じました。
課題曲セミナーの講師をされていた弓削田優子先生のレッスンも受講しましたが、その際に、ピティナの話だけに留まらず、音楽について沢山のことを教えていただき、また、会場選びについて、次回からピティナ・ステップも活用してみてはどうかとアドバイスもいただきました。結果のためというよりは、どんな会場でも自信をもって演奏できるように、これからはステップにも参加して場数を踏んでいこうと生徒達と話しています。
一番参加者数が多いのは
全体的にみると、参加者はB級(小学4年生以下の部門)、次いでA1級(小学2年生以下の部門)、C級(小学6年生以下の部門)と続きます。2018年度にコンペティションに初めて参加させた指導者の申込数はそれぞれ、A1級・B級がともに364、A2級が228、C級が171という結果でした。
コンペティションに関する悩み
コンペティションの指導に関する悩みに対して、ベテランの指導者にインタビュー。
その回答を一般公開しています。例えば、下記のような悩みはありませんか。
ぜひ、ご一読ください。
ピティナ・ピアノコンペティションへの道筋
ピティナ・ピアノコンペティションは、「指導者の研鑽のためのコンクール」を目的として創設されたコンクールです。
ぜひ、生徒と一緒に学び、生徒が一生音楽に親しむ指導法を見つけていただければと思います。