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- 第12回福田靖子賞選考会最終結果/レッスンレポート
レポート
主催:公益財団法人福田靖子賞基金 広報協力:ピティナ
コンペティション直後の8月22~26日、第12回を迎える福田靖子賞選考会が行われ、以下の通り最終結果が発表されました。レッスンでは、エマニュエル・シュトロッセ先生、マルクス・シルマー先生、アヴィラム・ライヒェルト先生がそれぞれに情熱をもった素晴らしい指導をしてくださり、最終審査会ではゲスト審査員としてお迎えした上原彩子先生・若林顕先生と選考委員の江口文子先生・黒田亜樹先生・杉本安子先生・武田真理先生、そして海外審査員3名の計9名から、8人の奨学生に対して、演奏と将来を見据えたアドバイスがおくられ、充実した夏の学習機会が提供されました。公益財団法人福田靖子賞基金では、参加した8名の今後をサポートしてまいります。


順位 | 名前 | 初期奨学金 |
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第1位 | 木田慎太郎(北海道/高2) | 100万円 |
第2位 | 安井友理(神奈川県/中3) | 40万円 |
第3位 | 原田佐和子(東京都/高3) | 30万円 |
第4位 | 坂下幸太郎(愛知県/高2) | 20万円 |
入選 | 飯田円(京都府/高1) 岡部那由多(東京都/高2) 清木悠矢(山口県/高1) 中山裕稀(兵庫県/高1) |
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8/26(火)桐朋学園 宗次ホール
会場協力:桐朋学園大学
終演後は懇親会を開催。交流を深めるとともに、海外審査員・ゲスト審査員(シュトロッセ先生・シルマー先生・ライヒェルト先生・上原彩子先生・若林顕先生)と選考委員(江口文子先生・黒田亜樹先生・杉本安子先生・武田真理先生)から、個々の参加者に充分な時間を取って個別のアドバイスが送られ、参加者たちは次につなげるための助言に熱心に聞き入っていました。












会場協力:桐朋学園大学
8月23~24日のレッスンには、国際的な実績を持つ海外招聘審査員3名をお迎えし、世界トップクラスのレッスンの機会を奨学生8名に提供しました。

フランス・パリ国立高等音楽院教授、エマニュエル・シュトロッセ先生は、理知的な音楽理解の上に常に自然な流れとしなやかなフレージングを重んじ、ぎこちなくなっていた部分を丁寧にほぐしてピントを合わせてくれるようなレッスン。どんなタイプの音楽も、エネルギッシュかつハイスピードに、どんどん演奏の問題点を見抜いて、矢継ぎ早にポイントを伝えていきます。アンサンブルの名手としても引っ張りだこのシュトロッセ先生。ソロの演奏においても、音楽全体のバランスや調和、その楽曲や作曲家のスタイルを重んじた表現などを鮮やかに整理して、受講生の演奏を生命力豊かなものに変えていきました。







オーストリア第二の都市グラーツからいらしたマルクス・シルマー先生は、若い音楽家とのプロジェクトや多彩なジャンルのアーティストが出演する音楽祭のディレクターを務めるなど、経験豊富な音楽家。その音楽理解や解釈は、正統的で王道を行くもの。常に作曲家をリスペクトし、歴史上の天才たちである作曲家たちの偉業=楽譜に対して、演奏家はどのようにそこから再現のエッセンスを読み取っていくか、細部まで丁寧に説明しながら、他の作品にも応用できる普遍的なエッセンスを惜しみなく教えてくださいました。また、時に一緒に演奏してくださったり、隣で身振り手振りでテンションを上げてくださったり、あの手この手で受講生の心を開き、瑞々しい表現を引き出していきました。







1997年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール入賞者でもあるアヴィラム・ライヒェルト先生は、現在は、母国イスラエルのほか、韓国のトップ校のひとつソウル国立大学で韓国のトップクラスの学生たちを指導し、また、アメリカやヨーロッパなどで活発な演奏活動を重ねている現役バリバリの演奏家です。今回は、急なご事情で来日できなくなってしまったグラハム・スコット先生の代わりに、開催2週間前(!)に審査と指導を引き受けてくださいました。レッスンでも懇親会でも、常に若いピアニストたちの健闘を満面の笑顔と素敵な言葉で祝福し、まずその取り組みを肯定してくださった後で、「私だったらこのように考えます」と現役の演奏家ならではのアイデアを実演とともに次々と伝授。「でも最終的に選ぶのはあなた。音楽は自由です。それを楽しんでね」と、常に主体的に音楽と関わっていくことの大切さを説いてくださいました。







開催にご尽力いただきました関係者の皆様に心より御礼申し上げます。次回は、2026年12月頃に要項を発表し、2027年8月に選考会を実施する予定です。