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コンペ50回記念企画:わたしとコンペ 第5回:大形ららさん

半世紀にわたり、ステージの上で自らの可能性に挑戦する多くのピアノ学習者とともに歩んできたピティナ・ピアノコンペティション。50回開催の節目に、それぞれの成長の軌跡と舞台に刻まれた数々の物語、そして未来へ続く歩みをたどります。
私は現在、高校3年生として受験勉強の真っ只中にいますが、日ごろから、部活動の合唱や学校行事での伴奏などで、自然とピアノに触れる生活を送っています。ただ、伴奏では無く、ソロとして自分の思い通りにクラシックを弾きたいという衝動に駆られることもあります。今年はコンペへの出場はお休みしますが、勉強の合間の息抜きとして今年の課題曲に触れてみるつもりです。今の私を形作ってくれた、コンペという「自分だけのステージ」を振り返ります。
ピアノを始めたきっかけは、身近にピアノがあったことと母の存在でした。初めてコンペに出場したA1級のころは、課題曲の難易度についていくのに必死だったことを覚えています。それでも一曲を何度も何度も、今も鮮明に覚えているほど繰り返し練習していました。
ステージで弾くことは、幼いころから大好きでした。ただ、成長するにつれて考えることが増え、緊張感も変わっていきましたが、回を重ねる中で、ステージの楽しみ方を知ることができました。
コンペへの参加を続ける中で、家族は私の大きな「原動力」でした。私がやりたいことに挑戦できるよう遠くの会場まで送迎してくれた家族とともに、その土地の美味しいものを食べたり、観光をして街を知ったりすることも、かけがえのない大切な思い出であり、コンペの大きな楽しみの一つでした。母はアドバイスをくれる相談相手、父は練習するだけで褒めてくれる応援団、そして兄弟は一緒に楽しく連弾をしてくれる仲間。一人での練習が寂しくなったとき、しつこく感想を聞いてしまう私に付き合ってくれる、本当に優しい、私の大切な大好きな家族です。
兄弟との連弾でステップ参加最も壁を感じたのは中学生時代でした。中学受験を経て、勉強としがみついていく中で、小学校の時のように何時間も練習できなくなってしまったのです。学校のテストとコンクールに追われ、不安で眠れず深夜まで勉強する日々が続き、心の余裕を失っていました。
時間はかかりましたが、完璧主義をやめ、楽観的に考えるように視点を変えることで、この時期を乗り越えることが出来たように思います。自分の勉強スタイルとピアノの時間のバランスを確立することで、心の余裕を取り戻すことができました。時間の使い方や力の抜き方、そして支えてくれる人々がいかにかけがえのない宝物であるかを、身をもって知ることができた大切な時期でした。この時期を前向きに歩むことができたのは、いつも穏やかであたたかい先生のご指導があったからです。心より感謝しています。
中学生の頃、コンクール本選会にてステージに立つ瞬間の、あの独特な感覚が大好きです。舞台裏は冷えているのに、ステージに出ると熱のこもった光でほかほかする感覚。緊張で手よりも右足が震えてペダルが難しくなったり、ホールのつやつやなピアノに反射する自分の手を見つめながら弾いたり。
本番前には、母が力強くいい香りのハンドクリームを揉み込んでくれました。舞台裏に用意したカイロやぬいぐるみを守り神に、「楽しもう!」と覚悟を決めてステージへ向かいます。その時の自分だけにあたる光が大好きでした。ミスをして焦ることもありましたが、母が何度も声をかけてくれた「自分らしく演奏を楽しんで」という言葉がお守りになり、リラックスして自分だけの音楽を奏でることができたと思います。
ホールでの練習コンペでいただいた講評の中でも、特に心に残っている言葉があります。「ピアノの鳴らし方を知っている人でした」と、手首の位置まで細かく見てくださった審査員の先生がいました。短い演奏時間の中で、愛のあるアドバイスをくださる先生方には感謝しかありません。
幼いころは「聴かれる」ことが少し怖かったのですが、回を重ねるうちに審査員の先生方の優しいまなざしを感じられるようになりました。いつしか、心の中であいさつをしながら、笑顔でゆっくりとお辞儀ができるようになっていたのも、コンペを通じて成長できた部分だと感じています。
小学生の頃、コンクールにてコンペを通じて、「他人と比べず、以前の自分と比べる」という考え方が身につきました。また、予選の時期に大雨や雷の中を車で移動したことが楽しくて、今でも雨の日が好きなほどです。コンペで色々な場所へ行き観光した経験から、将来は世界中を旅したいという夢も広がりました。
これからの目標は、「100歳までにピティナ・ピアノステップ100回継続」を果たすことです。大学に入ったら、ステップを通して日本各地を旅する「ステップ旅」をしたいと考えています。どんなに忙しくても1年に1回はステップ旅をしたい!ピアノのない生活は考えられません。そして色々な人と音楽を通して繋がれたらいいなと思っています。
今も続く、姉弟での連弾コンペに出る決意をするだけで、もう十分素敵なことだと思います。ひとりでステージに立つことはとても勇気が要るけれど、たくさんの人が応援してくれるし、一緒に頑張る仲間にも出会えます。色んな時代の名曲にも出会えます。その決意が人生を、考え方を豊かにしてくれるから、ぜひステージを楽しんでください。

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